日米欧の中央銀行、ドル資金供給で協調
日本銀行と米連邦準備制度理事会(FRB)、欧州中央銀行(ECB)など日米欧の中央銀行6行は10日、ギリシャ危機に端を発した世界的な金融市場の混乱に対応するため、金融市場にドル資金を供給する緊急対策を導入すると発表した。
信用不安の拡大で、金融機関が市場でドル資金を調達しにくくなっているためで、日米欧の中央銀行が協調して市場の安定化を図る。
通貨を交換し合う形でドルを一時的に貸し出す「スワップ協定」を締結した。同様の協調策は2008年秋のリーマン・ショック当時にも実施されており、世界的な株安の背景になったギリシャ危機に対する中央銀行の強い危機感がある。早期に事態沈静化へ向けた決意を示す狙いだ。
日銀は10日、臨時の金融政策決定会合を開いて協調策の導入を正式決定し、東京市場で金融機関にドル資金を貸し付ける。各中央銀行も欧米の市場で同様の対応をとる。協調策は2011年1月まで実施する。
ギリシャ危機を契機に金融市場では、ギリシャ国債などを大量に保有しているとみられる欧米金融機関の間で、経営内容についての不信感が高まり、一部でドル資金の貸し借りが滞っている。主要中銀はFRBから調達したドルを自国市場で貸し出す仕組みを導入することで市場の安定化を図る必要があると判断した。
(2010年5月10日11時35分 読売新聞)