テレビは見ないけど、たまに外で見たりすると、おもしろいのよね。
家内は言った。 何が面白いのだろう。と思った。 白々しい話に、白々しい嘘を、白々しいまでにひけらかす事で顔面が白々しくなるという意味で面白いと言うならば、確かに面白いと言えるであろうが、朝から夜中まで働いて、たまに見るものが、そうであるならば、いっそ、青々とした空の下で子どもと寝転んで、雲の向こうを覗き見る方がまだ電波の箱にかじりついているよりも、面白く、開放感はあるというものである。 この前ね。 あくう豚って言うブランド豚を使った餃子屋さんにぶらり入ったって言う番組を見かけたの。 ぶらりと立ち寄った電化製品の店でたまたま見かけたんだけどね。 それからしばらくして、口蹄疫がそこのブランド豚の畜産農家に関わっていたんだって。 あくう農場って言うらしいんだけど。 そこの家畜の内臓なんかは、もつ鍋屋さんに流されてたりするでしょう。 そこをある大食いタレントが尋ねて来たって、最近もつ鍋屋さん開いたって言う近所の人が言ってたの。 その大食いの女王みたいな人は目の周りをキラキララメで一杯にした大食いなのに痩せてる割ときれいな人なんだけど、総花学会の人らしいの。 もちろん、そのお店を開いた人もね。 そして、テレビ番組の制作側の人にもいるのでしょうね。 どうして、あるけどあるけど、総花に当たるんでしょう。不思議だわ。 そういう時代なんじゃないの。 総花的に、いつもにこにこしてて、吐く知的に笑っていればいいんでしょう。 テレビを見ない自分には、どうでもいい事であったが、そこが占領されているとしたら、話は違ってくる。 かつて、電波に乗って、世の中の不正を暴く等とアフリカのとある国のラジオやらテレビやらを流す事で、人々は真実を知った。 等と言うかなり一方的な内容の映画があったが、テレビを占領している真実を見せつけられてばかりで、踊ってばかりでもいられないような気がしていたが、踊り終わったら、死が舞っているという事を、彼らは知らないだけなのだ。 そろそろ、終わる頃だと思うわ。 そういう事も。 外でしか通用しない事は、いずれ、内の崩壊を見るという事。内から壊れ始めて、その組織はいずれなくなるという事。 家内は意味ありげに言った。 それは、暗に、内の事、我が家の事を揶揄して言っているのかね。 さあ、どうだか。 内と外ではまるで違うと言う、バランスの危うさがものを言うという事を言いたいだけ。 僕たちの生活は、総花的に、内と外で格差社会を広げている訳ではないだろう。 実際、総花的に、差別をやめろといいながら、ちゃっかり、市役所やら、主要な公共の場や電波や新聞雑誌を押さえて、その上、宗教法人ということで税金まである程度控除されて、教団の施設も至る所に張り巡らせて、一般の支部の家まで集会場にしてしまえるなんて、その組織力には、舌を巻くがね。 平家でなければ人でなし。 今の時代だったら、左翼の各マルハでなければ人でなしとなりつつあるなんて、いうけどね。 実際、資金調達力や場所の確保においては、上を行っているのが、宗教的な組織だと思うよ。 お題目を唱えれば、とりあえず、ひとつに慣れるということを刷り込まれて、それが、身に沁みている人たちだからね。僕たちには、そういうものがまるでない。信条やお題目もね。 内には、若干の温度差と格差と性差はあるかもしれないけれど、確かに、宗教も思想も政治も政党もお題目もマ二フェストもアジェンダもないわ。 あるのは、「生活」とこどもの口を開けながら無防備に眠る寝顔とお小言を含めた「言葉」くらい。 あなたの言う通り、総花的に、無血革命、静かな革命なんていいながら、結局のところ、政党の頭を入れ替えてみたら、違う国の人になってたって事にならないようにしないとね。 最低限でもね。 護国、国体なんて声高に唱えることもないけれど、いまここにある言葉と場と魂のようなものをなくすことだけは、何がどうなろうと許されることではないという、「そこ」にあるものを保って守ることの方が、より興味があり、自分にとっては現実だということ。 たとえそうだとしても、僕たちにはより自然発生的な「前衛」的なるものが、とりあえず必要だと思うがね。 崩壊、破壊というよりも、土建的な足場を固めている段階においての前衛的なるものが。 未だ崩壊するまでいっていない、未組織さ、未成熟さ、危うさを持った、いわゆる「前衛」的家族構成とも言えるが。 もうすぐ、破壊の使途不明金といわれた君のおやじも、この家にやってくるのだろうから、作る前から、家庭内外の破壊を預言されているようなものだが、ある意味、君のおやじは「前衛」になりうるくらい破壊的だからね。 そうね。 あの父親がやって来たら、この内に、テレビをしょってやってくるようなものなのよ。 しかも、電波では済まされない、直接的な、朝から晩まで生テレビ状態なんて、身体にも目にも毒だわ。 家の内と外を壊す前に父は、結局、自分を壊したのだと言えるわ。 辛うじて半身だけ生きながらえているものの。 内と外を壊すことによって、己をも壊しているということに気づいていないのよ。
by akikonoda
| 2010-05-25 23:34
| 小説
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