陸山会、小沢関連

陸山会事件:小沢氏「不起訴不当」 東京第1検察審査会議決要旨

 小沢前幹事長を「不起訴不当」とした東京第1検察審査会の議決要旨は次の通り。

 【証拠関係の検討】

 (1)元会計責任者、大久保隆規被告の供述

 政治資金収支報告書への具体的記載について小沢氏の関与や認識の有無・程度も分からないと供述するが、虚偽記載が発覚して代表者の政治生命が絶たれることもあることも考慮すると秘書らが勝手に処理するとは考えられず、信用できない。

 (2)元私設秘書、石川知裕被告の供述

 04年分の収支報告書の不記載の理由などを小沢氏に報告して了承を得たと述べており信用性は相当に高い。検察官は、党の代表選の時期を理由に本件土地の資産計上を1年繰り延べたとする石川被告の供述に疑念を呈するが、4億円の原資を隠さなければと考えた石川被告が、事実関係が表に出ることを少しでも遅くしようと考えるのは不自然ではない。また検察官は、石川被告がどのような場面で了承を得たのか具体的供述はなく、小沢氏の応答も「おう、分かった」というもので、どこまで説明を理解していたか定かではないと述べ、共謀に関する石川被告供述の信用性に疑念を呈する。しかし2人の上下関係を考えれば石川被告は小沢氏の理解を確かめながら報告して了承を求めるはずで、小沢氏の返答もそのことを前提にしたものと考えられる。

 (3)元私設秘書、池田光智被告の供述

 07年分の収支報告書について「先生に返済しました4億円については収支報告書には載せません」と報告し、小沢氏が「そうか、分かった」と了解したと供述している。池田被告も小沢氏の理解を確かめながら報告し了承を求めているはずだ。

 (4)小沢氏が収支報告書提出前に説明を受けた事実

 石川、池田両被告は収支報告書提出前に小沢氏に原案を示し説明したと供述している。「小沢先生の決裁を得た」という以上、小沢氏がある程度内容を理解していることが前提と考えられる。理解も得ないまま「決裁を得た」と言えば後日しっせきを受ける可能性があり、池田被告らがある程度詳しく説明したと十分推認できる。

 (5)銀行からの4億円借入に際しての融資申込書や約束手形の自署

 検察官指摘の通り、年約450万円の金利を伴う経済的合理性のない借入の目的は、石川被告が供述するように原資隠ぺい以外あり得ない。(小沢氏が)何の説明も受けることなく、求められるままに署名した、というのも不自然だ。検察官はこの事情が不記載とどこまで結びつくか疑義があるとするが、小沢氏が提供した資金について原資を隠ぺいする動機があったことは石川被告の供述から明らか。あえて経済的合理性を欠く行為を行っている点で、小沢氏も同じ動機を共有したという根拠にはなりうる。

 (6)水谷建設の資金提供

 小沢氏の事務所に資金提供したとの水谷建設関係者の供述は具体的で本人しか知り得ない事情も含まれ、信ぴょう性はかなり高い。本件の虚偽記載とは直接結びつかないが、原資を隠ぺいする必要性があったことの根拠に十分なりうるし、小沢氏が石川被告らと動機を共有していることの裏付けになる事情だ。

 (7)記者会見等について

 小沢氏は07年2月20日、土地購入に関し会見し(直後の)07年5月に4億円の返済を受けている。大金を受領しながら処理手続きに関心も持たないというのは考えられない。

 これらは小沢氏が収支報告書記載内容に重大な関心を抱かざるを得ないことを示し、07年分の収支報告書について「秘書に任せていた」という弁解が一層不自然なものとなることは明らかだ。

 【結論】

 (1)検察官が容疑不十分の理由とする事項は、秘書が独断でできるとは考えられない事柄だったり、小沢氏の客観的状況と整合しない無関心を示す事柄だと言わざるをえない。このまま不問にすれば「秘書に任せていた」と言えば済むのかという不満が残り、司法手続きへの信頼を損なうことにもなりかねない。

 (2)不起訴は再検討されるべきで、特に次の再捜査を求める。

ア 動機に重大なかかわりがあると思われる水谷建設の資金提供について、否認する石川被告への取り調べを含む更なる追及をする。

イ 被告らと小沢氏に手帳やメモなどの提出を求め、事実関係の裏付けをとる。

ウ 小沢氏の取り調べはわずか3回で、調書も「秘書がそんなことを言っているとは信じられない」で終始している感があり、追及不足の印象を免れない。改めて詳細な取り調べを行う。

 (3)これらの再検討、再捜査を経ない限り、不起訴処分を支持することは到底不可能だ。

 【最後に】

 審査でつくづく感じたことは、政治資金規正法は政治家に都合のよい抜け道が多い。政治家が「知らなかった」と責任を免れることを許さない制度を構築すべきだ。収支報告書提出の際、宣誓書に代表者の署名・押印を必要とするなどの規定に改正できないか。再捜査によって公開の場で事実関係が論じられることが、同法を実効的なものに発展させる一助になると確信する。
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by akikonoda | 2010-07-16 06:49 | 記憶
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