かつてのアイドールを追いかけ続ける若き母親は
いつまでも白くて柔らかな
わかわいい女であった
アイドールと一緒にとった写メールを こっそりみせてくれた
おーとめーしょんの焼き立てのメロンパンを食べながら
焼き立てがやっぱりいいね
といった
たしかに
焼き立てのおーとめーしょんのメロンパンはおいしいけど
画面いっぱいの顔をじいっとのぞき込んでみたら
女の傍らのアイドールはずいぶんくたびれて
ぱりっと焼き立てとはいえない
やっぱり 焼き立てがいいのだろうか
と思った
写メールを送り付けて焼きましても
複写された時間はいつまでもくたびれている
一緒に撮ったから どうなるわけじゃないけどね
女は そういいながら
焼き立てだった 手の中のアイドールを見つめていた