ゲーテの「メルヒェン」

 ゲーテの「メルヒェン」に出会ったのは、随分前のことである。

 詩や小説、色彩学や石の研究など、興味のあるものには貪欲なゲーテであったが、童話も書いていることを知って、俄然、興味を持った。

 たまたま、行ったシュタイナー系のお店にあった「メルヒェン」を手に入れたのだが、やはり、シュタイナー系の淡い色調の絵が添えられ描かれていて、いっそう、メルヒェン心をくすぐるものであったが、内容は、かなり、夢の思考を駆使した、奇想きてれつなものであった。

 影の大男、河、金貨を食べる蛇、朝鮮薊(あーてぃちょーく?)など、ちょっと、読むだけでも、これは、深みにはまった時に絞りでたか、降って湧いたものだろうと、思わずにはおれない、象徴的な登場(人)物が、物語の中に、ひっきりなしに出てくるのだ。

 小説や詩では表現し切れなかったものの残滓として、夢の中で彷徨ったことが多かったであろうゲーテの深いところを表している象徴として、流れを完全に無視し魂の導くままにうろつき歩き回った果ての物語として、いまだに自分の中をふわふわと浮遊して、とらえきれない。

 
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by akikonoda | 2006-10-08 18:49
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