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ずうっといた 




ずうっといた

横の公園のベンチで眠っていた

ひとりのひげのおじさんがいた

夜中になると

かんかんをつぶしはじめた



洗濯物をほしていた

目が合った

それから

しばらくして

廃品回収の夜に

空き缶をつぶす音が聞こえてくるようになった

それまで

きこえてこなかったのは

窓がしまっていたからか

どうかはわからない



こどもが虫を捕っていた

どこに住んでいるの

と聞かれた

ここに

と家を指差した

おじさんは

むこうにすんでいるよ 



夜になりそうな空をさした


虫が 一匹 飛んでいた




網戸に虫が飛んできた

つぶされたかんかんと

隣のおじさんと

隣のくうらあがうなっていた

空 から

ずうっと 

風がなき

音はなりやまない

花代も酒代もいらない

みんみんと鳴く

朝昼夜にはりついた


by akikonoda | 2007-07-23 20:41
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