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クルド系武装勢力

(毎日新聞 - 10月10日 13:38)
 【エルサレム前田英司】トルコ南東部でクルド系武装勢力によるテロ攻撃が激化していることを受け、同国のエルドアン首相は9日、武装勢力の拠点があるイラク北部への越境攻撃も辞さないと警告した。ロイター通信などが伝えた。首相は軍部や野党からより厳しいテロ対策を迫られており、トルコ・イラク国境の緊張が高まっている。

 トルコ南東部シルナクで7日、トルコからの分離独立を目指す武装組織クルド労働者党(PKK)がトルコ軍を攻撃し、兵士13人を殺害した。同地では先月末にもPKKがバスを襲撃し、乗客十数人を殺害したばかりだった。武装メンバーはイラク北部の山間部を潜伏拠点として、トルコ国内でのテロ攻撃を繰り返している。

 エルドアン首相は9日の声明で「隣国でのテロ組織の活動を阻止するため、越境作戦を含むあらゆる手段を講じる」と言明した。トルコ国外での軍事行動には国会の承認が必要だが、国防省は限定的な越境であれば不要との見方も示した。与党・公正発展党は近く、越境の承認を国会に要求する意向を明らかにした。

 トルコがイラク北部への越境攻撃を警告した背景には、イラク軍や駐留米軍が十分なPKK対策を講じていないとの強い不満がある。

 イラクは先月、PKK対策としてトルコとの「反テロ協定」に署名したが、トルコ軍の越境攻撃は拒否した。イラク政府報道官は9日、「協定の枠組みで対処すべきだ」と述べ、トルコの動きをけん制した。

 また、米国務省報道官も「一方的な侵攻が問題解決につながるかどうか定かでない」との懸念を示した。イラク北部のクルド人地域は比較的落ち着いており、米国などはトルコの強硬手段によって情勢が不安定化することを警戒している。
by akikonoda | 2007-10-10 17:16
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