【テヘラン11日共同=山岡宗広】イラン南東部で日本人の男子大学生(23)が何者かに拘束された事件で、在イラン日本大使館が八日に学生から拘束を告げる電話があった後、身の安全を考慮して情報を公にせず、犯人とみられる武装集団との接触を独自に図っていたことが十一日、関係者の話で分かった。
大使館では十日も深夜まで事態進展に備えて職員が待機。福田康夫首相は十一日朝、記者団に対し「人命の保障(の必要)がある」と述べ、詳細についての言及を避けた。 関係者によると、大使館で情報を知る職員はこれまで幹部と少数の担当者に限られていた。ある職員は「解決するまで伏せておくつもりだった。公になったことで、犯人を刺激するのが心配だ」と話した。 イラン南東部では、同国で少数派のイスラム教スンニ派で麻薬密輸などの犯罪に関与しているとみられる武装勢力による襲撃や拉致事件がたびたび発生。日本外務省は同地域への渡航者へ注意を呼び掛けていた。 八月にベルギー人の男性(28)と女性(37)を拘束したとされるグループの指導者は「刑務所にいる兄弟の釈放」を要求。女性は直後に自由の身となり、男性は隣国パキスタンの拘束先から約一カ月後に解放された。 男性の解放のタイミングに合わせてベルギーのデフフト外相がテヘランを訪問。解放交渉にベルギー政府が関与したことをうかがわせたが、両国は男性救出の経緯公表を拒否。身代金が支払われたとの憶測も流れた。 中国〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 「拘束された」と2回連絡、イラン邦人誘拐 外務省に入った情報によると、イラン南東部ケルマン州付近を旅行中の日本人男子大学生(23)が誘拐された。 同省は10日、武装グループによる誘拐事件と見て、小野寺五典外務副大臣を本部長とする緊急対策本部を設置し、イラン政府に大学生の早期救出を要請している。 高村外相は11日朝、外務省内で記者団に対し、大学生はイランの隣国であるパキスタンからイランに入った後に拘束され、在テヘラン日本大使館へ「拘束された」と2回連絡してきたことを明らかにした。1回目は8日深夜、2回目は10日午後10時半ころ(日本時間)で、本人は無事だったという。 高村外相は10日夜にイランのモッタキ外相に電話し、事件の早期解決に向けた努力と情報の提供を要請した。モッタキ外相は「(大学生が)だいたいどこにいるか、場所は特定されている」とした上で、イランの治安当局がグループがどのような集団かを把握し、すでに接触していることを伝えたという。 外務省幹部は11日、「犯人は政治的目的ではないようだ。身代金目的と見られるが、はっきりしない。宗教的な背景はなく、山賊のような集団と見られる」と語った。 福田首相は都内の自宅前で記者団に「外務省が対策本部をつくった。それ以上はあまり言えない」と述べた。 外務省はイラン東部の国境付近について「渡航の延期を勧める」、今回の事件現場に近いと見られる南東部の国境付近については「渡航の是非を検討してください」との海外渡航情報(危険情報)を出し、「夜間の移動を避け、常に団体で行動を」などと呼びかけていた。 海外での邦人誘拐としては、今年4月に南米パラグアイで、土地管理会社社長ら2人が誘拐され、同月中に無事解放された。2004年10月にはイラクで香田証生さんが拘束され、殺害された。同年4月7日にはイラクで3人が拉致され、犯人グループは自衛隊のイラクからの撤退を要求。14日には2人が拉致されたが、5人とも無事解放された。 (2007年10月11日11時19分 読売新聞)〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 武装グループの潜伏場所特定か 大学生誘拐でイラン当局 2007年10月11日12時11分 イラン南東部を旅行中の日本人大学生の男性(23)が武装グループに拘束された事件で、イラン治安当局が犯行グループの潜伏場所をほぼ特定している可能性が高いことが11日分かった。高村外相が同日朝、イランのモッタキ外相との電話会談で得られた情報として記者団に明らかにした。一方、イラン国営通信(英語電子版)は同日、イラン治安当局が10日夕から同国南東部のケルマン州で広範囲に捜索を始めたと伝えた。 高村氏によると、男性本人から大使館に「武装グループに拘束された」などと2回電話があったという。ただ犯行グループからの要求については「どういう要求があるのかは分からない」と明確な回答を避けた。高村氏は「悲観も楽観もできないんじゃないでしょうか」と述べた。 また町村官房長官は11日午前の記者会見で、「10日午後10時半ごろの時点で被害者の生存は確認されている。イラン治安当局に対して、犯人側との接触を要請している」と明らかにした。 パキスタン国境に近いケルマン州など南東部は、外国人の誘拐事件が相次ぐなど治安が悪化している。外務省は今回の事件も政治的テロの可能性は薄く、麻薬取引などを行う盗賊に近いグループの犯行の可能性もあるとみている。同省幹部は犯行グループから何らかの要求が来ていることを示唆したうえで、身代金の要求の有無については「よく分からない」と述べるにとどまった。 外務省は、ケルマン州などイラン南東部のパキスタン国境付近に発している危険情報について「渡航の是非検討(レベル2)」から「渡航の延期勧告(レベル3)」に引き上げる方針だ。 朝日〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 高村正彦外相は十一日午前、イラン南東部で日本人の男子大学生(23)が何者かに誘拐された事件について、十日夜の段階で男性の無事を確認したことを明らかにした。外務省で記者団に語った。高村外相によると、十日夜に電話会談したイランのモッタキ外相が、誘拐された男性の拘束場所をほぼ特定していることを伝えた上で、「どういうたぐいの犯人グループか大体つかめている」などと説明したという。 福田康夫首相は十一日朝、東京・野沢の私邸前で、記者団に「人命の保証があるから言えない」として、詳細について言及しなかった。町村信孝官房長官も記者会見で「邦人が拘束されたことは、誠に遺憾な事態だ。救出第一で、全力を挙げている」と強調した。 政府は、当面の対応をイラン当局に委ねる方針。外務省は十一日午後に緊急対策本部の会合を開き、情報収集を進める。高村外相は「犯人グループからどういう要求があるか分からないが、イランの治安当局は(接触が)取れているのかもしれない」と述べ、イラン側が犯人グループと交渉を始めている可能性を示した。これに関連して外務省幹部は、犯人像について「盗賊に近いグループではないか。イスラム原理主義みたいな感じではない」と述べ、政治、宗教的な背景は薄いとの見方を示した。 外務省などによると、男性からは、テヘランの日本大使館に、「イラン南東部を旅行中に何者かに拘束された」とする今月八日深夜の電話を含め、計二回連絡があった。男性は「パキスタンからイランに入国した」などと話していたという。 外務省は八日に男性が誘拐されたとの情報を把握した後、人命にかかわることや、イラン当局との調整などを理由に、十日まで公表しなかった。 ◇ 政府関係者によると、イランで誘拐された男性は大阪府出身の横浜国大四年生という。 ◇ 横浜国立大学(横浜市保土ケ谷区)の話では十一日午前になって報道機関からの問い合わせがあり、同大の教育人間科学部の四年生に問い合わせのあった「中村聡志(さとし)」という名前と同姓同名の学生が在籍しているという。同大の中村さんは四月から九月まで休学届を出しているという。 中村さんは、同学部で「国際共生社会課程」を学んでいる。同大では同学部長が家族と連絡をとるなど事実確認を急いでいる。外務省からは同日昼すぎ時点では、同大への連絡や問い合わせはないという。 <メモ>外務省の危険情報 国や地域の治安情勢を判断し、第1段階の「十分注意」から最も危険度が高く、避難を呼び掛ける「退避勧告」までの4段階で出される。法的強制力はない。男性が拘束されたイラン南東部は、外国人の誘拐が相次いだことなどから、2段階目の「渡航是非の検討」に指定。「退避勧告」が出されているのは、アフガニスタン全土や、北部をのぞくイラクなど。 (共同) 東京〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 (時事通信社 - 10月11日 11:05) 【カイロ11日時事】国営イラン通信(英語電子版)によると、同国南東部で日本人大学生(23)が何者かに拘束された事件で、地元消息筋は10日夕、治安部隊などが大規模な捜索活動を開始したことを明らかにした。 同通信によれば、大学生は8日、ケルマン州の城跡観光に向かう途中、武装集団に拉致されたという。遺跡名を特定していないが、古都バムにある城跡とみられる。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 【テヘラン=工藤武人】イランで旅行中の日本人男子学生(23)を誘拐したのは、同国南東部シスタン・バルチスタン州を拠点とする麻薬密輸組織「シャハバフシュ」とみられることが11日、わかった。 地元選出の国会議員が本紙に明らかにした。 同国会議員は、大学生は、誘拐場所のケルマン州バムから東へ約250キロ離れたザヘダン周辺の山岳地帯にある組織の拠点に拘束されていると語った。 同組織は、8月にベルギー人の男女を拘束しており、その際は、刑務所に収監されていた仲間の釈放を求めた。今回も同様の要求を突き付けている可能性が高い。 (2007年10月11日21時46分 読売新聞) 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 昔から、盗賊的なものが多いと思われる地域であるので、その可能性は有るが。 ここにきて、麻薬組織と言う言葉が出てきているので、何かまた裏にあるような、雲行きがあやしい感じである。
by akikonoda
| 2007-10-11 10:55
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