渡辺文樹監督の「ザザンボ」を見た。
これは、最近見たもので、一番と言っていいほどの、映画だった。
ちょっと、風邪ぎみのため体調は芳しくないが、見に行ってよかったと思う。
鬱々とした村社会の、隠されてしまったたものが土葬された墓を掘り起こされ、本当のことが明るみに出た後に、火がはなたれる。
何もかも焼き尽くす炎を追っている、その淡々とした目線は、生者のものというよりも、自分には、どこか、既に向こうに渡ってしまったものの目線のような気がしてならなかった。
その陰鬱を帯びたものは、かつての日本が、もっており、今も密かに受け継がれている、鬱々とした燃え盛る炎影のようであり、御影のようであった。