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『宣教師さびある』1



あるところに、宣教師がいた。

名前は、さびあるである。

全世界にさびのある教義を伝える為にやってきたのかはたれもしらない。

さびあるのこの国での仮の姿は、寿司職人であったが、

さびある?

と言う痛辛い類いのものでもないようだった。

さびあるは、さびある派の仲間を集う為に、ここにやってきたのだった。

いや、仲間を呼び寄せ、この世界に蔓延る為にやって来たのである。

さびあるには、ある信条が与えられていた。

知っている人なら判るような合図はなにもなかったが、さびついた思考、さびついた唯物、さびついた辛さをもつものなら、なんでも、さびあるは広げて行くつもりであったかも定かではないのだが、たったひとつだけ言える事は、この国を、この世界を秘密裏に支配しようとしている事だけは確かな事であった。

食の神様による世界支配。

これが、さびある派の究極の世界支配の果てにあるもの。

と子供の頃から、母親にも、周りのものに言われていたが、まだ、さびあるには、明かされていない秘密があった。

寿司屋は、ほんの入り口でしかなかった。

韓国宮廷料理から仏蘭西料理、トルコ料理、野外ばーべきゅー、浜料理、家庭料理に、至るまで、すべての食文化を単一化、単純化することから、はじまることなのであるとも言われていた。

まずは、自分たちの仲間には絶対食べることを禁止している、汚染されたマグロ専門の寿司屋を商う事で、その世界支配の一歩をはじめる事を、正統さびある派から求められたので、ここにやってきたのであった。

クジラには、ぐりーんすっぽんという動物保護団体が絡んできて手出ししないことになっていたので、マグロを遺伝子組み換えによって、早く成長させ、世界中の人に、次から次に食べさせる事によって、この世界に住む、貪欲な住人の命を短くする役目を担っているということであった。

その後に残ったものたちの、つまり、さびある派の信条を守ったものだけが、楽園を打ち立てる事が出来ると言われていた。

今度は、焼き肉屋にしよう。

店の名前は焼き肉天国にでもしようと思ったかどうかは判らないが、汚染マグロをさばくのにも、すこし飽きて来たところなので、さびあるは、狂牛病を患っている可能性の高い牛肉を使った焼き肉屋も兼ねて、ビュッフェ形式を画策していた。

もちろん、狂牛ステーキでもかまわないが、焼き肉にも、遺伝子組み換え肉を使う事を、信条としたのは言うまでもない。

客はそうとは知らずに、店の食物をすべて食べ尽くすように、毎日のように、貪欲に食らいついて来た。

その理由は、いたって簡単である。

何度も食べたくなるような、「繰り返し遺伝子」またの名を「貪欲遺伝子」と言われる遺伝子の組み換えを、汚染マグロや狂牛肉に施していたからである。

これも、さびある派の信条に沿ったものであった。

トップシークレットの信条はまだあるのだが、人類がすべて支配できるようになるときに、食の神様がどこからともなくやって来て、その秘密が明かされると言われていたが、それは、ほんの一部のトップのさびある派のものしか知らされていないとも言われていた。
by akikonoda | 2008-01-18 19:29
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