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黒猫白猫の道

道を歩いていた
黒猫が左にいた
白猫が右にいた

黒猫は緑の目
白猫は黄の目
流れる家族を追って行く

浮き島の家族
風の流れに押されて
水の流れに寄り添って

黒猫 白猫
通せんぼ
嘘をついたら切り刻む

黒猫 白猫
眺めていた
答えておくれと眺めていた
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by akikonoda | 2006-09-30 19:40 |

結合 〜あとさきの夢〜

花嫁と花婿が待っている
結婚式場の準備に借り出されている
人々の中

漆黒の肌の花嫁が
太陽の照りつける砂浜で
半裸になっているような

背中を向けて
太陽の輝く砂浜で
寝転がっているような花嫁

花嫁の野生の髪が肩まで延びていた
背中のおれた羽の痕のような
肩甲骨に手を触れる

浜辺で油を塗り
羽の痕から背骨をなぞって
揉みしだいているような

顔のない花嫁は
少し震えながら 
少し笑っていた

花婿はどこ
廊下を渡り
地下の方に行って見た

地下の男達は
丸くて穴の開いた
黒い簡易椅子を片づけていた

もう ことは済んだような
一つの会場で
何かが終わったような

二階があることに気づいて目をやった
踊り場のような処で
髪の長い花婿達が縛られていた

白い縄で縛られていたのだ
眼鏡をかけた花婿達
少し髪の長い男の子たち

それから
白い縄に縛られたまま
引きずられて

更に地下に続く部屋に連行されていった
首を鷲掴みにされ
ばりかんで髪を刈られていた

機械仕掛けの人間に
ばりかんで刈られていた
少し髪の長い男の子たち
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by akikonoda | 2006-09-30 10:26 | 夢詩

『どろん虚』

12 宇宙への旅

 ルシファーの砦では、宇宙への旅の仕上げとも言うべき最終準備段階へ突入しようとしてた。

 道造と一緒にルシファーの神の下で研究していた若い医師が、シャトル上で、人工的に作った無重力状態での難しい手術に成功したのだった。
 宇宙での無重力状態での出産時におけるあらゆる研究の、総仕上げと言える、生身の人間による実験に成功したのだった。
 人類にとって、生命保存は必要条件であった。
 無重力状態でも、子孫を生み出せ、残せると言う可能性の扉が開かれ、この、ルシファー達にとって最大の課題をクリアできたという朗報は、宇宙に飛びだす強いバネとなりつつあった。

 どうやって、子供を産んだのですか。

 道造は、その実験に深く関わった、若手の研究者フィリッポにきいた。

 磁力を使って、母体を固定してね。子供をバキュームで、吸い取ったのだよ。ずずずっとね。
 磁場の調整には骨が折れたが、なんとか成功して良かったよ。母親の下半身にセットされたカプセル内を漂う、子宮内のすべてのものが、出産時に、瞬間移動したみたいだったよ。へその緒や子宮内膜や羊水も小さな透明なカプセルに一緒に吸い取られて目に見えない暗闇の体内から、目に見える明るみの体外へ移動しただけだからね。
 凄いよ。宇宙でうまれる子供達は、生身の子宮から人工的な透明な子宮への旅へ出るのさ。全く、凄いことだよ。
 本当は、帝王切開でもいいのだが、原始的な出産状態における、リスクと言うのも知っておきたいからね。今回、一応の成果が出たので、選択肢は増えたと言えるね。
 
 母体の状態と、子供の状態はどうなのですか。

 母体は、しばらく休んでもらうとして、子供はうまれたばかりだから、母乳や栄養が必要なので、君の研究の成果である、赤ちゃんでも補給できるというトウモロコシもいずれ役立たせてもらうよ。今後の成り行きに期待しておいてくれよ。

 そうですか。それは、凄いことですね。
 ところで、子供は、どうなるのですか。

 たぶん、透明なカプセル内で、しばらく育って行くということになるかな。なにしろ、色んなところに生後間もなく生身でぶつかるのは、危険であるし、カプセル内で、殺菌、洗浄、栄養補給、保温、保護、なるべく赤ちゃんが快適に過ごせるように、とりあえずプログラミングしているよ。
 もちろん、し尿系の処理は、君のどろんこマシーンに繋がっていて、リサイクルされ、また有機栽培用の磁場産業にリサイクルされて、きれいに使われるようになるから、これまた助かったよ。

 赤ちゃんは、その第二の子宮から、いつごろ出られるのですか。

 さあ、それは、個々によってまちまちだと思うよ。首が座るまでとか、色々な意見があるが、今のところ、宇宙での生活で、実体験を積み重ねていく上で、最良のものを選択して行くことにはなるだろう。色々対応策に追われるのは、確かだろうが。

 宇宙でうまれる赤ちゃんか。

 そうなると、やっぱり宇宙人ということになるのかな。

 地球系宇宙人第一号の赤ちゃんは一体誰だろう。

 道造はなんだか、心が宙に浮いているような気がした。

 自分も、よちよち歩きの宇宙を知らない子供達の一人であるから、似たようなものだが、なんだか、訳は分らないままではあるが、未知の宇宙にも、生命の種は蒔かれ、萌え出ずるのだ。

 萌学もきっと変わって行くに違いない。
 宇宙の中で、どのように展開されるか、結構、楽しみな道造であったが。
 とてつもない怪物になるかもしれない。
 と、ひとり考える道造であった。

 
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by akikonoda | 2006-09-29 13:35

顔を洗って出直す

顔を洗った
泡の中 溺れそうになりながら
かくしつが顔中に残っています
きれいに落しましょうね

透明な肌の人が
泡を作りながら笑う
白い泡で息が出来ません
それじゃあ 洗い流してください

顔が泡と一緒に流れて行きそうです
黒いかくしつも連れて行ってください
夏の疲れも一緒に
洗い流してください

薔薇のオイルと金の粉
顔中 いっぱい広げましょう
透明な肌を
手に入れましょう

白い泡にくるんで
黒いかくしつの表面張力をとかせ
がびがびのかくしつをとかしてしまえ
日々のあわも流してしまえ
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by akikonoda | 2006-09-28 15:21

友達のうちはどこ

 友達のうちはどこ というイラン映画は、子供心をそのまま映し出した、半分ドキュメンタリー的な素朴なキアロスタミ作品である。

 イランに住んでいた子供の時に、同じように、友達の家に遊びに行った事を思いだす。
 場所は分っていたのだが、その家に辿り着くまでに、見知らぬ人やものに出会うのに、どきどきしたものだ。

 今は、子供のともだちが、どこからともなくやってきて、いつの間にか居なくなっているので、時間はとうとうとながれても、変わらないものがあることに、どこかほっとする。

 
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by akikonoda | 2006-09-27 17:49

めおとぜんざい

めおとぜんざい

大阪でたべた
善哉善哉うまかった

いろいろたべたわけではない
いっぱいの善哉をたべつづけただけだ

いつかたべた
善哉善哉うまかった
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by akikonoda | 2006-09-27 11:28

青すぎる空 を聞く

eastern youth の 青すぎる空 が、

朝から聞きたくなった。
普段は、眠っているものものが起こされた時、聞きたくなる音がある。

〜旅路ニ季節ガ燃エ落チル 〜より
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by akikonoda | 2006-09-27 06:56

『どろん虚』

11 永久平和宣言

 ルシファー達の最後の砦では、着々と宇宙への船出を進めていた。

 ルシファーの神が、道造に、最後の質問をした。

 君は、遺伝子組み換え手術を受けるかね。

 僕は、まだ、決心がついていません。本当に、遺伝子組み換えをしていいものかどうか。
 本当に僕でもルシファーになれるのかなとも思いますし。
 僕にはどうも引っ掛かるところがあるのですよ。
 ルシファー達の間で、どのような愛の営みが営まれているのかということです。
 僕には良く分らないのです。色々、彼ら、彼女らと関わってきましたが、一向にその営みが見えてこないのです。
 とても、美しいのですが、美しさの先に、何があるのだろうかと、ふと思うのです。

 ルシファー達はだね。自分を愛しているのだよ。何よりも。誰よりも。
 だから、水に映る水仙を愛した神話の人のようなものなのさ。
 愛の営みか。まあ、君が思っているようなことは、まずないといっていい。
 自分を愛することはあっても、他のものを愛するかどうかは、今のところ私にもはっきり分らない。
 実際に宇宙に行ってみたらわかることかもしれないが。
 
 道造は、それを聞いても、良く意味が分らなかった。
 ルシファー達は、自分を愛しているのか。

 道造は、そこのところが、非常に怪しかった。
 自分を愛してないとルシファーにはなれないかもしれない。
 愛しているどころか、スクラップ扱いしていた自分には、良く飲み込めない事情もあるのだ。

 ルシファー達の中にも、色々あるのだよ。道造。君が知らないだけで。

 はあ、どう言った事があるのですか。

 私は、クレオールで色々な人の血が混ざっているが、ルシファー達は、虹色の肌を持つものとも言われている。
 まあ、七色に輝く程美しい肌を持つと言う意味もあるが、もう一つの意味として、色々な雨風に打たれた後に辿り着いた美しさと言うことなのだよ。分るかね。
 ルシファー達は、かつて米国大陸で行われた勢力が二つに分かたれた戦争の時に結成された、「PP団(ぴーぴーだん)」が、母体となっていると言われている。
 PP団とは、poor people団の略なのだ。つまり、かつては凄まじい飢えや渇きに喘いだ人達の集まりと言うことだ。そこで、培われた共同体意識は今も受け継がれて、壊れることがなく、その心意気を、宇宙まで、一緒に持って行き、一緒に飛んで行こうとしている訳なのだ。
 美しいものには、何かしらの、影がつきまとっているものなのかもしれない。その影を、疎かにすると、痛い目に会うぞ。道造。
 ルシファー達は、飽くなき挑戦を続けているのだ。自分の遺伝子を手術で変えてまで。
 それは、凄まじい執念だぞ。私などには、考えられないほどの。

 そうだったのですか。美しいものには影がある。ということなのですね。

 まあ、そういうことだ。君も心しておくがいい。
 どろんこ天使であろうが、何も知らないままだと、いつか吊るし上げられる事になりかねないのだから。
 
 ルシファーの群れの影など、知る由もなかった道造は、考えた。
 美しさの果てに何かあるかと言うわけでなく、何かに苦しみ、飢えたことからうまれたひとつの形が美しさなのか。

 それは特別な場所にしか咲かない、美しい華のようなものなのかもしれない。
 
 そこで、ルシファー達は、戦いの果てにある到達点を見たのだ。
と、ルシファーの神は続けて語り始めた。

 はあ。

 つまり、永遠平和を宣言したのだ。自分たちは、戦いの果てにうまれたものであるということを噛みしめての、宣言なのだった。
 
 永久に戦わない。
 武器を持たない。
 軍隊を持たない。
 貧乏にならない。
 飢えない。
 泣かない。
 無くさない。
 くさくない。

 当初は「ないない宣言」とも言われた。
 しかし、戦わないということを永遠に貫くということを、高らかに謳ったのは、それまでにはない画期的なことだった。
 
 この地上の人々が、今、生命・人々の世界・宇宙を永遠に平和にするために役割を果たすべきだ。
 多民族主義こそが、平和と開発の根本的価値をよりよく前進させる道だ。
 という主旨のもと宣言されたのだ。
 いわゆる、国際宇宙機構、国際宇宙法を目指しての、高邁な宣言なのであった。
 
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by akikonoda | 2006-09-26 21:10

白い花輪

蓮の花が咲いていた
大濠公園のお堀の近く
白い蓮の花が咲いていた

蓮の花の箱船のような
濃い緑の水の中
見えないそこを覗いた

蓮の花が
細い首をかしげて
それを見ている

背中には
車の排気ガス
子供の白い手ひっぱった

蓮の手
蓮華草の手
シロツメクサの手 

繋いで花輪をつくろうか
白い花輪をつくろうか
箱船にそおっとのせようね
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by akikonoda | 2006-09-26 20:56

温度計

どろどろの赤い水
ガラスの中 行ったり来たりしてた
温度計が割れてしまった

風呂場で事故死
洗い場 踊り場
砕け散る

人肌より二℃だけ高く
はかり続けることに
耐え切れられなくなったのか

ちまちま
行ったり来たりに
意味がなくなったのか

身体すけすけ 
血はみえみえ 行ったり来たり
今の温度 零℃

砕けた身体
水銀塗れ
腰は砕けて 赤い血 弾く 

吸い尽くされた乳房色 ぷらすちっくの鞘の中
砕け散った赤い血
いつまでたっても 固まらない

いつまでたっても 鞘の中 
いつまでたっても 砕けてる
行ったり来たり 疲れはて

壊れてしまった
壊れてしまった
もう 温度を計ることもない

百℃が 限度
そこから先は 目盛りはない 
そこから先は 見境もない 

鞘の中 行ったり来たり
あきあきの仕事から
開放されたガラスの身体

兄の抜け殻も
家の中 行ったり来たり
あるとき ベランダ 飛び降りた

壊れてしまった 
壊れてしまった
飛び降りて 身を切って 

壊れてしまった
壊れてしまった
温度計 すっと伸び切って

もう 計れない 
二本の前歯 砕け散り 
血だらけ すっと伸び切って

病院と家を 行ったり来たり
乳色の家に戻り 風呂の中 
手首を切って 血を流し

人肌より少しだけ 
高い温度で飛んだだけ
身を切り 血を切り 飛んだだけ
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by akikonoda | 2006-09-26 20:39