<太宰治>GHQが複数の作品を検閲 米で新資料見つかる
今年生誕100年の作家、太宰治が終戦後の数年間に刊行した四つの短編集に収めた7作品について、GHQ(連合国軍総司令部)が検閲を実施し、問題があると判断した個所の削除を求める資料が見つかったことが31日、分かった。日本を神国と表したり、武士道精神について述べるなど、軍国主義を連想させる部分が対象となっていた。
米ペンシルベニア州立大のエイブル・ジョナサン准教授と長崎総合科学大の横手一彦教授が共同研究により、GHQが検閲した太宰作品のゲラを、米メリーランド大図書館の「プランゲ文庫」で発見した。
横手教授によると検閲が分かったのは、▽「新釈諸国噺(ばなし)」(1945年発行)収録の「人魚の海」▽「薄明」(46年)の「鉄面皮」と「校長三代」▽「ろまん灯籠(どうろう)」(47年)の「貨幣」▽「黄村先生言行録」(同)の表題作と「佳日」と「不審庵(あん)」。「新釈諸国噺」の冒頭にある「凡例」にも検閲個所があった。太宰の複数作品が検閲を受けていたことが明らかになったのは初。【鈴木英生】
毎日〜〜〜〜〜〜〜
今でも検閲は行われているようなふしもあるので、GHQに限らず、えげつないことである。
「貨幣」がことのほか気になるのは、どの時代の物書きも同じかと思われたが、まだその文章は読んでいないので何とも言いがたいが、興味がそそられることではある。
それにしても、少し、太宰に対する意識が変わったような。