夢の中であるのは分かっていた
故郷の街の駅前にある建物は
見たことがない鉄塔のようだった
そこまでいこうとする
店のようである
店の入り口は右横にあり
そこにまわっていこうとしたら
青緑の澄んだ水が入り口の横で眠っているように静かにあった
美しいと思う
足が水に触れた
清水、湧き水のようにとうとうと広がっていた
その水が入りそうで入らない入り口
そっと敷居を踏みながら店に入った
食堂のようである
ジャズを今にも歌おうとしているショートカットの女の人がいて
店の人もまばらに聞いている
このような場所が出来たのは良いことだと思いながら
駅前なのに山の奥のようだとも思っている