一緒にインドを放浪した友人は、今は、某大学の研究室に勤務している。
そこの大学で、医療(生命)倫理についての会合があり、今回は、かつてカウンセリングの勉強をしていた時にお世話になった、箱庭療法研究会を主催されていたA先生ご夫妻が世話役(妻)と講師(夫)で、二人三脚で一席持たれると言う話を聞いた。 これは、共時的であるか、セレンディピティであるか、ご縁であるか、はたまた、偶(必)然性かは、わからないが、とにかく、お話が聞きたいと申し入れたら、 いいよ。 の一言で、すとれんじゃーも、すんなり参加できることになった。 ありがとね。ひでちゃん。愛してるぜ。 A先生は、西田幾多郎の絶対矛盾の自己統一?について熱く?語っておられた。 手元に、西田幾多郎の善についての著書が在ったので、行く前に、少しは読み返しておこうと思ったが、なぜか見当たらなかった。 目下、「善」を探索中である。 はて、何を書いていたっけ? 自分の中に残っていないようなので、また、探してでも読めと言うことかも知れない。 善悪の彼方なら、そこに在るのだが。 立ち返って、A先生は、西田幾多郎の限界は、昭和二十年頃の時代背景に起因するとも話されていた。 確かに、場の理論として、その場の時代背景は、考慮されなくてはならないものであると思われるが、西田幾多郎の、場の理論を、いまだに掴み切れていないのでなんともいえないが、時空の概念を念頭に置くと、場の理論を考える、ひとつのイメージが出来ると思われる。 仮に時間と空間の合わさるところが、「場」であるとするならば、場は、そこ/ここ/あそこに果てしなく続き、存在するものであると考えられるが、ある重要な意味を持つ、その存在にとって重いものとして受け止められるところ/ものこそが、「場」であり「縁」でもあると、自分は受け止めているのだが。 箱庭療法の観点からの考察も、相変わらず、切れが良く、腑に落ちる点が多々あるのだが、一つ気になったこととして、「右と左」の概念があった。 これは、場の理論の中でも、重要な概念であると思われるが、まずは、言葉の通りに、右ききと左ききというような、物理的、在る意味、身体的なものをひっくるめた方向性を表すものが考えられる。 右脳、左脳もしかりであるが、箱庭においては、なぜか、右側が意識性、左側が無意識性を表すことが多いと思われている。 これは、臨床において、あくまでも頻度によるデータ収集の結果得られたものを、その判断基準としたものであって、なぜそうなのかといわれても良く分らないのが実のところだ。 物理学、科学も在る意味、頻度がものを言う世界であるから、箱庭の概念/思考を判断基準としてひとつ持っておくと、なかなか、興味深い、読み方が出来ることもあるので、自分としては全否定していない。 ちなみに、A先生は、右脳、左脳の微妙な感覚機能の違いから、来ているのではないかと、予測されていた。 確実なものは、何一つないかもしれないが、もしかして、そうかもしれないという、予測、推測は、データあるいは、目の前で起りつつある現象に基づき、自分なりに判断をするということは、実は、無/意識的に、誰しもしていることではないだろうか。 なんだかわからないことを、知ろうとする時、初めて、無意識的で、漠然としていたものが、意識下に立ち現れ、自分自身や世界、宇宙と向き合うことになるのだと、今のところ、そう理解しているのだが。 あらゆる可能性を考え、想像性、創造性を駆使して、自分をひっくるめた世界も、宇宙も、なんとか腑に落ちるところに方向性を定めて行くことは、全存在を駆使すれば、出来うることとも思っている。 結果は後からついてくるだけだ。 もっと、左右についての考察で、A先生は、興味深いことも言われていたが、自分で、ちゃんと、消化、昇華してからにしたいと思う。
by akikonoda
| 2006-10-13 10:33
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