ちょっと、トラックバックを頂いて、その内容をも読ませて頂いて、悪とはなんぞや。と考えた。
嘘をつくことが悪ならば、人はほとんど悪である。 小説や詩を書くものは、すべてうそつきである。 埴谷雄高が、「うそつきみっちゃん」といっていた、井上光晴は、やりたい放題の人生だったが、どこかに愛情のようなものを感じてしまうのは、かの人に、そういう、部分があったからである。 また、うそつきみっちゃんは、「記憶の捏造」なることをしてまで、昔の記憶の中の故郷のようなものも書き続けていたというが、そもそも、ドキュメンタリーという枠の中でさえ、編集され、切り落とされ、作者自身の視点にそった映像や音、言葉として、現実はある程度形を整えて提示されるのである。 ドキュメンタリーの最たるものといえる、新聞や情報誌でさえ、実際に起ったことの大まかなことを全体の総括としてしか伝えることが出来ないのである。 捏造とは言えないが、少なくとも、人の目や身体を通して感じられるものすべてに、なにがしかの、手心が加えられているのは事実である。 と、同じようなことをドキュメンタリー映画『全身小説家』でうそつきみっちゃんも話してくれていたっけ。 立ち返って、トラックバックして頂いたものの中に、きっこさんの素性が言ってたものと違うとか、倫理性?を疑う等という人もいるようだが、かの人は、大切なところで間違ってないと思う。 そもそも、自分に倫理性を突きつけられても困るのであるが。 突きつける人からみたら、たぶんないに等しい代物だと思うので、何も言えた義理ではないのだが、あえて言えそうな事は、人の命にかかわることで、平気で嘘をつき、見て見ぬふりをすることのほうが、どうしても、納得できない気がする。と言うことである。 信用するかしないか、受け止める方が、納得した方になるだけである。 納得できないなら、自分で納得行く方法を、見つけるしかないと思う。 また、アジア軍事力のバランスが崩れると言うことを指摘されている映像も見せて頂いたが、もともと、偏ったバランスで、質で優位に立っているという台湾も、質で劣っていたという中国に量で攻められたら、そのような見掛け上のバランスなど、関係なく、もとからないに等しいと思われるので、その問題の本質である、敵がい心のようなものを溶かす政治的、文化的なたゆまぬ努力が必要であると思わずにはおれない。
by akikonoda
| 2006-11-02 10:15
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