薬湯に入った。
漢方薬が体中に染み込んでくると同時に、身体のあちこちが緩んで体温の上昇に紛れて、ほぐされていく。
それにしても、薬湯をはじめとして、色々な種類の湯があるものだ。
岩風呂、泡風呂、丸い石が敷き詰められた風呂、超音波風呂、水風呂、足湯等々。
普通のサウナもあったが、首だけ出ている木の甲羅に入り込んだような独りサウナもあった。
長時間入浴する方は、厭きなくていいだろうが、子供達は、緩くぬるめの湯の超音波風呂か足湯かきんと冷えた水風呂をうろつくぐらいで、後は、ちょっと、持て余していたようだが。
しかし、超音波風呂は、どこから、超音波がやってくるか分らないところが、泡風呂と違って、ちょっとしたスリルがないでもなかった。
超音波の居所を探そうと、海女さんのように、もぐる子もいたが。
何でも試してみたくなる風狂さが取り柄の自分であるが、一頻り、熱苦しい泡に塗れたり、独りサウナ亀になったりしたが、最後にはほどよく落ち着く薬湯にたどり着いた。
ながく浸かっていると、こどもがやってきて、
これ、飲んでもいい?
と言われたのだが、薬湯とは違う、老若女人汁がでていそうなので、それは控えてもらった。
しかし、毒はかなり流れ出たようで、体調はすこぶるよい。
今年は、出来れば毒を乗り越えた正統派?でいきたいところである。