久方ぶりに、水族館に行った。
最初に、鮫がみたいというので、鮫のいる水槽に行った。
途中で、「竜宮の使い」という白くて長いきっかいな魚に出会う。
昔は人魚と勘違いされたりしたそうだが、名前として、いかにもいかにもである形体をしている。
すでに、ほるまりんの中をおよぐ死体になっており、尚更、いきたままの竜宮の使いに会ってみたいとも思ったが、人工島のちかくのこの海には、もう、棲むところも無くなっているのだろうとも思われ。
せちがらし うきよのはこで うずくまり ひかりあたれど ながれはみえず
鮫は予め餌を貰っているらしく、ダイバーの人が水槽の中を悠々とおよいでいた。
こちらのほうが、生きて蠢いているのに、死の淵を彷徨うか、すでに死んでいるように見えたのは、なぜだろふ。