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カンヌの嵐

カンヌ最高賞候補に抗議 イランの政府系財団

 【テヘラン21日共同】第60回カンヌ国際映画祭の最高賞「パルムドール」候補作の1つで、イラン革命後の少女の生活や社会の変化を題材にしたフランス制作のアニメ映画「ペルセポリス」にイランの政府系文化財団が20日までに抗議し、23日に予定されている映画祭での上映を中止するよう求めた。

 AP通信がイラン国内の報道として伝えたところによると、この財団は在イラン・フランス大使館にあてた抗議文で、作品を「栄光あるイスラム革命の成果の非現実的な面を見せている」と批判した。映画のどの部分を問題視したのかは不明。

 「ペルセポリス」は、イラン生まれで現在はフランス在住のマルジャン・サトラピさんの自伝的漫画が原作で、サトラピさん自身が監督した。

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一つの事実、それが革命、戦争がおこったときであっても、いろいろな、それぞれの現実がある。

サトラピさんの漫画を偶然知人から教えてもらい拝見していたが、彼女の現実は、私の体験したイランでの現実と少なからず時間的に重なっているのを感じていたので、尚更、その現実を知りたく見たく思う。

手のひらを返したように、イスラム万歳と叫ぶ知人たちを尻目に、ひとり国外に留学という名目で逃亡するが、その先で、お金目当てでよってくるものやめずらしいものを見るようなものたちの中で、ひとりで生きていくのは、並大抵のものではないと思ったのを覚えている。

ほんの60数年前の日本でも似たようなことが起こっていたし、今後とも、戦争や凝り固まった信念が好きで、利益をむさぼろうとするものたちが、言論やあらゆる自由を統制しようとうごいたりするのなら、それが人ごとではなくなると肝に銘じる為にも、見たほうがいいような気もする。


それにしても、イスラム革命前後すぐではないが、イランイラク戦争を経て、二十数年して訪れたイランで変わっていたのは、赤ちゃんポストではなく、慈善(恵まれない人に喜捨する)ポストができていたことである。

そこから、感じたことは、石油マネーの利益をむさぼる上流階級のものたちが優遇される世界を目指す訳ではなく、行き渡りそうもないものたちをなんとかしようとする志は有るのだろうな。ということであった。

その使い道をしっかり示し、実行しないと、ぴんはねされて似たようなものになってしまう可能性は有るだろうが、町中で、喜捨をねだる人が、革命前より少なくなっていたのを、肌で感じたので、まんざら、嘘ではないと思われた。


そういえば、サトラピさんは、確か、漫画にも書かれていたが、王?か身分の高い貴族?の双子の兄弟の片割れの血筋であったと思うので、どちらかというと、今の体制に批判的である視線は、なきにしもあらずであろうが、だからといって、その視線が間違っているともいえないだろう。


革命も戦争も基地問題も、あるいは封印された隠された事実も、一方向のそれも大多数の方からだけみていると、見間違うことがしばしばある。

生の、その場にいる、いたものの声を聞くことは、やはり必要であるに違いない。
by akikonoda | 2007-05-21 12:01
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