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原爆投下 やまぬ怒りの声

 久間発言 やまぬ怒りの声 謝罪と辞任求め決議
2007年7月3日 朝刊
久間防衛相の発言に抗議し、広島・原爆ドーム前で座り込む人たち=2日

 久間章生防衛相が原爆投下を「しょうがない」と発言したことについて、日本原水爆被害者団体協議会(被団協)は二日、東京・永田町の衆院議員会館内で緊急集会を開き、「核兵器は絶対に人類と共存できない悪魔の兵器。久間氏の発言に何の正当性もない」として国民への謝罪と辞任などを求める決議を採択した。
 集会には、被爆者ら約百人が参加。東京都原爆被害者団体協議会の三宅信雄事務局長は「原爆で戦争が早く終わったというのは米国の宣伝、虚言だ。事もあろうに日本の防衛相が言うのはとんでもない」と批判した。
 被爆者らからは「長崎県出身の大臣なのに、被爆者がどれだけ苦しんできたのか全く知らない」「政治家というより人間として失格だ」など怒りの声が相次いだ。
 民主党の菅直人代表代行、社民党の福島瑞穂党首、共産党の市田忠義書記局長、国民新党の亀井久興幹事長ら野党議員約二十人も参加。久間防衛相の罷免要求を強め、安倍晋三首相の任命責任を追及していくことで一致した。


撤回求め意見書 長崎市議会可決
 長崎市議会は二日、久間章生防衛相の原爆投下をめぐる発言を批判し、撤回を求める意見書を全会一致で可決した。近く安倍晋三首相や久間防衛相らに提出する。
 意見書は久間防衛相の発言を「被爆者の気持ちを軽視しており、到底容認できない」と批判。さらに「強く遺憾の意を表明し、発言の撤回と今後このような発言が二度と繰り返されないよう国に求める」としている。
 意見書の表現をめぐっては、複数の議員から「罷免を要求する」「核廃絶を訴える義務を放棄しており、国民の生命と財産を守る防衛相として失格」などを盛り込むべきとの意見もあった。


東京新聞〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 しょうがないでは、すまされないことがある。

 防衛相と、その向こうの亜米利加にも。

 慰安婦にされた方々や他の戦争に関する問題に関しては、日本がきちんと謝罪することは当然だと思うが、それと同時に、体験された方、あるいは遺族が言う通りである「悪魔の兵器」である核兵器使用に対する謝罪、そして、核兵器放棄を、亜米利加が実行することが、今この時期だからこそ、尚更、必要である。

 少なくとも日本の、核の脅威の消え去った本当の意味での戦後は、そこから始まるといっても過言ではない。


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 久間氏発言、容認できず 地元の長崎県議会が決議
2007年7月3日 12時01分
 久間章生防衛相(衆院長崎2区)の原爆投下発言について、地元の長崎県議会は3日の本会議で「到底容認できない」と抗議する決議を全会一致で可決した。
 決議は、久間防衛相が「原爆投下で戦争が終わった」と投下是認とも受け取れる発言をしたことを挙げ、「今日なお被爆者が後遺症に苦しんでいる現状に思いをいたすと、不用意な発言と言わざるを得ない」と批判した。
 長崎県の金子原二郎知事も県議会閉幕にあたりあいさつし「防衛相の発言は知事として遺憾に思う。発言を2度と繰り返さず、これまで以上に(核兵器廃絶に)尽力するようお願いする」と述べた。
(共同)

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防衛相「辞任は当然」と被爆者団体、省内でも「仕方ない」

 米国の原爆投下について「しょうがない」と語った久間防衛相が3日、大臣を辞任した。


 発言をめぐっては、公明党や現職閣僚、参院選を目前に控えた改選議員らからも批判が相次いでいた。被爆者団体からは「辞任は当然」との声が聞かれ、急展開に防衛省内には衝撃が走った。

 久間防衛相の辞任が午後1時過ぎにニュース速報で流れると、省内にはどよめきが起こった。大臣官房広報課では、職員が電話での問い合わせに追われ、「報道先行なのでまだ確認してません。事実であることが確認されれば対応します」とあわただしく答えた。

 この日午前、長崎市の田上富久市長から発言撤回を求める要請書を手渡された際に、「本当にご迷惑をかけてすいませんでした」と答えた久間防衛相の声は聞き取れないほど。省内では「元気がないな」という声も上がっていた。

 キャリア組のある課長は「仕方ないんじゃないんですか」と冷めた様子。「いくら長崎(選出)の人とはいえ、柳沢厚労相の『産む機械』発言とは質が違う。辞任もやむを得ないでしょう」と、あきれかえった表情を見せた。また、制服組幹部は「まさかこんなに急展開するとは思っていなかった。これからどうなるのか。正直言って意外です」と驚いた表情を見せた。

 田上長崎市長は「お会いした直後なので大変驚いている。面会したときに謝罪と反省の言葉を何度も言われていたので、何らかの考えを持っていたのだろうかと思っている」と驚きを隠せない様子だった。

 また、長崎県の金子原二郎知事は「反省を込めた陳謝だったので、まさか辞任するとは。非常に驚いている」。久間防衛相の意向を受け参院選長崎選挙区(改選定数1)から出馬を決めた元国見高サッカー部総監督の小嶺忠敏氏の陣営幹部は「初耳なのでなんとも言いようがないが、困ったことになった」と困惑していた。

 広島で被爆し、体験を証言する「語り部」として活動を続けている渡辺美代子さん(77)(広島市西区)は「辞任するのは当たり前。あの発言を聞き、被爆者として怒り心頭だった。ほかの大臣も核を容認するような発言は二度としてほしくない」と話した。

 日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の藤平典代表委員は「当然だと思う。亡くなった被爆者や今も苦しむ被爆者に対し、あってはならない発言で、核兵器を承認することにもつながる。防衛大臣としてふさわしくない」と話している。

 原水爆禁止日本国民会議の福山真劫事務局長は「辞任は当然。参院選を控えて、批判をかわしきれなかったのだろう」と淡々とした口調で述べた。

(2007年7月3日14時13分 読売新聞)〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

新防衛相に小池氏 久間氏辞任、野党は任命責任追及

 安倍晋三首相は3日午後、久間章生防衛相の辞任を受け、後任に小池百合子首相補佐官(54)を充てることを決めた。首相は、早期に後任を決めて政権への打撃と、29日投開票の参院選への影響を最小限に抑えたい考えだ。認証式は4日午後に行われる。

 一方、野党各党は引き続き首相の任命責任や、発言後も久間氏をかばい罷免しなかった責任を追及する考えだ。

 小池氏は、衆院東京10区選出。小泉内閣で環境相、沖縄北方担当相を務め、昨年9月の安倍政権発足により、国家安全保障問題担当の首相補佐官に就任。参院当選1回、衆院当選5回。自民党町村派。


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『しょうがない』退場 身内も冷たい視線
2007年7月4日 朝刊
大勢の報道陣が詰めかける中、辞任会見に臨む久間防衛相(左端)=3日午後、東京都新宿区の防衛省で

 「本心から『悪かった』と言っているようには思えない」−。被爆地の怒りは三日、それでも収まらなかった。「しょうがない」が衝撃を広げた「原爆発言」から四日目。参院選への影響を心配する身内からのとげとげしい視線に耐えきれなくなったかのように、久間章生防衛相が口にした辞任。久間氏の背中を押したのは、閣僚が問題を起こすたびにかばい続けてみせる安倍晋三首相の“リーダーシップ”ではなく、選挙へのダメージだった。 
 「『しょうがない』という言葉はね、九州弁で出るんですよ。ポッと」
 久間氏は三日、東京・市谷の防衛省で行われた臨時会見で、「しょうがない」を十九回も連発して釈明に努めた。
 午後四時半、省議室に現れた久間氏は、満杯の報道陣に「こんなにたくさん…」と戸惑い気味。「原爆投下を是認したかのように報道された。断じてあってはならないと言ったが、『しょうがない』といったのは事実。不用意な発言だった」と恨み節とも悔恨ともつかない話しぶり。
 「今度の参院選挙で与党の足を引っ張っては申し訳ない」と語り、三日昼ごろ、辞任を決意したことを明らかにした。この後は「もう少し、終戦の決断が早ければ原爆投下はなかったという意味だった」と弁明した。
 そして「長崎の使用が最後であってほしいと県民みんな思っている。過ぎたことは『しょうがない』にしても…」と、うっかりなのか、計算なのか、「しょうがない」がまた飛び出し、「また言ったけど…」。
 長崎在住の新聞記者によると「こちらでは『しょんなか』という言葉を会話にはさむのは事実」なのだという。しかし先月三十日の講演での久間氏の発言は、やはり原爆投下を是認したようにとれる発言だ。
 会見終盤には、官邸で安倍首相に辞任を告げた際、「いろいろやっていただいた」とほめられたことを明かし、省昇格を実現し、米軍再編特措法を成立させたことを“成果”と強調。今年五月、米軍再編に関連して沖縄に掃海母艦を派遣して、地元の反発を買ったことについても「正しいことをしたと思っている」と胸を張った。
 会見は四十七分間。身ぶり手ぶりを加え、記者の質問を遮ってまで熱弁を振るった。最後は「過去のことをああすればよかったといっても始まらない。『しょうがない』と言うといけないので」と自戒をこめた。
『被爆のひどさ忘れたか』
 久間氏が「原爆投下はしょうがなかった」と発言して以降、憤りが渦巻いてきた被爆地の長崎と広島。防衛相を辞任した三日も、怒りは少しも収まらなかった。
 「悪魔の兵器から生き残った者にとって、愚かな発言をした人が大臣をやめたとしても、ついにここまで被爆のひどさが忘れられたかと無念で悔しくて、今も涙が止まりません」。語り続ける被爆者として知られる長崎市の下平作江さん(72)は唇をかみしめた。
 「久間さんが本心から『悪かった』と言っているようには思えない」。長崎原爆被災者協議会理事、田中重光さん(66)の声も震えていた。
 久間氏の地元である長崎の政界には安堵(あんど)も。自民党の末吉光徳県連幹事長は「発言で足を引っ張られた思いだったが、辞任で選挙は戦いやすくなったかもしれない」と漏らした。
 一方の広島市。秋葉忠利市長は記者会見で「現政府が被爆体験の重みについて十分な理解を持っていないのではないか」と強く批判した。
 広島県原爆被害者団体協議会の事務局長で被爆者の吉岡幸雄さん(78)は「われわれの心を踏みにじる発言で辞任は当然。遅きに失した」。毎年夏、小学生に被爆体験を証言している空辰男さん(79)も「憲法九条があり、被爆国である日本の防衛相としてあまりにも軽はずみ。辞めるのは当然だが、まず被爆者や国民に謝罪した上で、きちんと説明してほしい」と語気を強めた。

 
by akikonoda | 2007-07-03 08:55
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