来世紀はくるだろうか 週のはじめに考える 2007年7月15日 発見されたニュートンの予言からするとあと五十年ほどで世界の終末が来てしまいます。「杞憂(きゆう)」と一蹴(いっしゅう)したいのですが、その兆候がなくもないところが不気味です。 英国の数学・物理学者で万有引力や微積分を着想したアイザック・ニュートン(一六四二−一七二七年)は、力学、数学、光学の分野で人類史に輝く業績を打ち立てた同じ献身的努力を錬金術や神学、聖書研究にも尽くしたことで知られています。 ニュートンの残した膨大な手稿や蔵書目録は二十世紀になって競売に付され、大経済学者のケインズも収集に尽力し研究したようです。 2060年の世界終末論 外電などによると、ニュートンの予言はエルサレムのヘブライ大学図書館に保管中の資料群のなかから発見されました。一七〇〇年代初頭のニュートン直筆の文書で、内容はちょっと衝撃的でした。 「早ければ二〇六〇年に世界の終末が来る」−。 旧約聖書のダニエル書を解読して終末年度を割り出したらしいのですが、ケプラーやデカルト、カントなどの十七、八世紀の科学者、哲学者の信念は、天体の運行や自然現象、人間の歴史には神の意思と普遍原理がひそみ、それを探り出すことを任務にしたといわれます。 ニュートンの予言が遊びや余技であるはずがありません。 キリスト教に最後の審判があり、仏教に末法の世があるように、世界の終わりについての思想や観念は、いつ、いかなる時代にもあり、個人の意識のうえにさえ現れます。 気がかりなのは、予言内容が日増しに高まる地球や文明の危機の声と軌を一にしていることです。ことに温暖化による地球の危機はもうだれも無視できず、世界政治の現実課題にさえなってきました。 地球温暖化は産業革命とともにはじまり、石炭石油などの化石燃料の大量使用による二酸化炭素(CO2)の大量放出で加速され、地球の危機を顕在化させてきました。 気温が6・4度上昇したら 国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」によると、二〇〇五年の大気中のCO2濃度は三七九ppmに達したとのことです。 これは産業革命前の濃度の一・四倍で、南極の氷床コアの測定からは産業革命までの六十五万年の地球の歴史にCO2の濃度が三〇〇ppmを超えたことは一度もなかったことがわかるのだそうです。 気温の上昇は、暴風、干ばつ、熱波、寒波などの異常気象で農作物の減少や農地の砂漠化をもたらし、山岳氷河や南極北極圏の氷河の溶解は、水没や洪水となって襲います。 ことし二月のIPCC報告では、何の対策もなければ、二〇五〇年代には飢餓人口が世界で最大一千万人、水不足が十億人増え、二十一世紀末の気温は最悪で六・四度上昇すると警告しました。 三度上昇で低地の海岸地域の一億七千万人、四度で三億人に洪水の危機などの数字はありますが、六度の上昇となると予測はつきかねるようです。壊滅的打撃になることは間違いなく、「二〇五〇年までに温室効果ガスの50%削減」は世界各国にとって至上命令でしょう。 「BRICs」と呼ばれるブラジル、ロシア、インド、中国の経済躍進は地球温暖化と世界の人口増の要因でもあります。六十億の人口は二〇三〇年に八十億、二〇五〇年に九十億人と予測され、飢餓が地球を覆いかねません。 人類が新しく手にしたロボットや遺伝子工学、バイオテクノロジーやナノテクノロジーは核兵器と同じく誤用や悪用によって大惨事を招きかねず、「人類が今世紀を生き抜けるかどうかは五分五分」とみる科学者も少なくないのです。 われわれの時代の宇宙物理学や生命科学が明らかにしたところによると、この宇宙は百四十億年前のビッグバンによって生まれ、宇宙の雲の収縮や微惑星の衝突で四十五億年前に太陽や地球が誕生しました。 地球上の生命は四十億年前、単細胞から多細胞へ、複雑な動物へとの進化をたどり、猿人の出現は七百万年前で現代人はわずか十九万年前のことだそうです。 宇宙や地球の歴史に比べれば、人間の時代はまだ一瞬の閃光(せんこう)で、しかも何度かの生物絶滅の危機をくぐり抜けての奇跡の結果でした。われわれの時代で終わらせるわけにはいかないのです。 ニュートンの予言に意味があるとしたら、われわれ人間の奢(おご)りへの戒めでしょう。 「貪らず」が地球を救う 産業革命以来の解放された物欲の追求は他を顧みない自然や生態系の破壊となり、エネルギーの途方もない費消は宇宙空間から眺める夜の地球を光の帯の連続にしました。一将の功なって万骨枯る型の企業経営もまかり通っています。 しかし、「諸行無常」「奢れるもの久しからず」は平家物語以来の真理です。「貪(むさぼ)らず」は日本人の理想とする境地で、地球を救う生き方でもあるのでしょう。 中日?〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
by akikonoda
| 2007-07-15 20:07
|
以前の記事
2011年 12月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 2007年 01月 2006年 12月 2006年 11月 2006年 10月 2006年 09月 2006年 08月 カテゴリ
フォロー中のブログ
地球と宇宙の画像 惑星テ... today's fron... ザンビア日記(Miyos... イランという国で 地政学を英国で学んだ Florencia Ru... 写俳日記(写真俳句) 写... 写真でイスラーム 文化人類学解放講座(20... イノレコモンズのふた。 DJ Moon pres... ... 島田快速便 自然とともに生きる 徒然草 村人生活@ スペイン イスラムアート紀行 空のポケット*Pocke... ミクロネシアの小さな島・... How It Is まっくわぁるど アジアⅩのブログ 不思議空間「遠野」 -「... ウィーンとパリと好きなも... bikkeのat home 「現代・遠野物語」 popo 田口ランディ Offic... 幸福のアラビア滞在記 ~... ドイツで生きる ~Kom... えるだまの植物図鑑 えるだま:ペルシャの国から 和歌「遠野」 かものはしが覗いたパキスタン JhooLe LaL タスマニアで生きる人たち Avec France ... NY金魚 1 エクス・ポ日記 ヒカシューBlog 聖地エルサレム滞在記 楠かつのりブログ・三々五々 連載小説空間 throu... 不思議空間「遠野」別館 オンタク実行委員会blog 小竹浜ブログ メモ帳
ライフログ
タグ
短歌(1557)
記憶(501) 詩(233) 夢詩(86) 小説(44) 夢短歌(31) 俳句(26) 日々の事(13) さびある(11) 日々のこと(11) ガザ(6) インフルエンザ(6) 「時代精神」というもの(4) 映画(4) サリン事件(3) 『君はせーらー服のどっぺるげんがーを見たことがあるか?』(3) 「環境整備」(2) 『どろん虚』(2) どうわ(2) 甲斐大策さん(2) 最新のトラックバック
検索
その他のジャンル
ブログパーツ
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||