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河合隼雄さんが死去

臨床心理学の第一人者、元文化庁長官の河合隼雄さんが死去

 臨床心理学の第一人者として心の問題に取り組む一方、教育や宗教など幅広い分野で業績を残した元文化庁長官で京大名誉教授の河合隼雄(かわい・はやお)さんが19日、奈良県天理市内の病院で死去した。79歳だった。


 河合元長官は奈良市内の自宅で脳こうそくの発作を起こし、昨年8月に緊急入院して手術を受けていた。

 兵庫県出身。京大大学院と米カリフォルニア大で心理学を学んだ後、スイス・チューリヒのユング研究所で心理療法家の資格を得て1965年に帰国、ユングの心理学を日本に初めて紹介したほか、箱庭療法を実践、普及させた。

 75年に京大教授となり、心の病を抱えた患者の治療に現場で取り組む一方で、文学、宗教、科学、教育などの分野で積極的に発言した。国際日本文化研究センター所長、文部科学省顧問なども歴任。2000年に文化功労者に選ばれた。

 02年1月、民間人として約17年ぶりに文化庁長官に就任。在任期間中、歴史と伝統を持つ関西の文化を活性化しようと、伝統芸、演劇、音楽関連のイベントを関西で集中的に催す「関西元気文化圏構想」を提唱、実現した。

(2007年7月19日16時13分 読売新聞)

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元文化庁長官の河合隼雄さん死去
2007年07月19日15時34分

 元文化庁長官で、臨床心理学者の河合隼雄さんが19日午後2時27分、脳梗塞(こうそく)で亡くなった。79歳だった。

亡くなった河合隼雄さん
 1928年、兵庫県生まれ。京都大理学部数学科卒業後、米国留学を経て、62〜65年にスイスのユング研究所に留学し、日本人で初めてユング派分析家の資格を取得した。帰国後、ユング心理学を基礎にした心理療法の「箱庭療法」を完成・普及させ、日本にユング派心理療法を紹介した。

 75年に京都大教授となり、95〜01年に国際日本文化研究センター所長を務め、00年、文化功労者に選ばれた。

 日本の神話や現代社会を題材とした研究で注目を集めた。82年に「昔話と日本人の心」で大佛次郎賞、88年に「明恵夢を生きる」で新潮学芸賞。98年には心理学での画期的研究と臨床実践、日本文化論での独創的実績が評価され、朝日賞を受賞した。

 02年1月に文化庁長官に就任。06年6月、奈良県明日香村の高松塚古墳の国宝壁画の損傷を未公表のまま修復していた問題などで責任をとり、給与の一部を自主返納した。8月9日には明日香村を訪れ、壁画損傷問題で謝罪し、壁画修理のための石室解体に協力を要請した。脳梗塞で倒れ、同月17日に手術を受けてから療養を続けていた。

 兄に元日本モンキーセンター所長を務めた動物生態学者の雅雄さんがいる。趣味は還暦を前に始めたフルート演奏。ジョーク好きで、「日本ウソツキクラブ会長」を名乗るなど、多彩な人として知られた。


朝日〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


福岡の何かの講演会でお聞きした、境界線人格のお話が、今も、記憶に残っている。

ご冥福をお祈りします。


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河合隼雄さん、日本文化に心血 あふれるユーモア、庶民派 


 堅苦しい学者のイメージとはひと味違った河合隼雄さん。フルートはコンサートを開くほどの腕前だった。
 
 研究者の枠を飛び出し、日本文化の明日に心を砕いた元文化庁長官、河合隼雄さん(79)が19日、逝った。臨床心理学の第一人者としての研究と実践の双方に大きな足跡を残す一方、文化行政のトップとして「文化力」の重要さを訴え続けた。またフルートとユーモアを愛する庶民派でもあり、広く一般の人々から慕われた。

 河合さんは昨年8月17日、高松塚古墳(奈良県明日香村)の壁画損傷問題の対応に奔走する中で突然倒れた。壁画損傷について、「文化庁の信頼が損なわれる事態となり、おわびしたい」と明日香村に陳謝し、同村との新たな一歩を踏み出した矢先の出来事だった。

 文化庁長官として、学者のイメージを超えたアイデアを次々に打ち出す一方、庁内のコミュニケーションを大切にし、就任から約1カ月で課長以上の顔と名前を覚えたという。

 「日本ウソツキクラブ会長」を自称する希代のユーモリスト。文化庁でも「文化芸術を扱う人が仕事にきゅうきゅうとしていてはダメ。いつも心を豊かにしてほしい」と率先してダジャレを振りまき、敷居の高かった長官室には、幹部だけでなく若手職員も出入りするようになった。

 またフルート奏者としても有名だ。京都大学の学生時代にオーケストラでフルートを始め、兄の河合雅雄さんら兄弟4人で「クレー」というカルテットを組んだこともある。その後、フルートから離れたが、“五十の手習い”で練習を再開。国際学会のレセプションや、親睦(しんぼく)の場などで腕前を披露した。さらに平成8年からはフルート奏者の佐々木真さんとジョイントコンサートを毎年開催。河合さんの講演と演奏で構成するコンサートはいつも満席という人気だった。

 哲学者、梅原猛さんの話「河合さんはユング心理学を単に紹介するのではなく、それを使い、日本の社会、文化を分析しました。彼の理論は国際的にも評価が高い。私は仏教の研究をしていて、夢の話がどうしても分からないと、彼に相談したこともありました。大変に才能のある方を亡くして、非常に残念です」

産経〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
by akikonoda | 2007-07-19 17:30
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