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官民共同GXロケット、開発費は計画開始時の5倍にも

官民共同GXロケット、開発費は計画開始時の5倍にも

 「短期間、低コストで信頼性の高いロケット」を開発し、世界の打ち上げ市場参入を目指していた官民共同開発の中型ロケット「GX」の総開発費が、少なく見積もっても、計画開始時に掲げた「看板価格」の450億円の3倍から5倍に膨れ上がることがわかった。


 日本の最先端エンジン技術が米国へ流出する懸念もあり、抜本的見直しを求める声が強まることは必至の情勢だ。

 GXは民間側が部品を購入する予定だった米国企業のロケットが製造中止になり、より高額なロケット「アトラス5」の部品購入に切り替えざるを得なくなった。また、民間側は開発費節減策として米国での打ち上げを提案しているため、官民の担当者が訪米、米企業のデータをもとに、今後の開発費をはじきだした。

 〈1〉アトラス5の部品を最大限に活用したロケット〈2〉従来の部品を最大限活用したロケット――の2種類について、米国、国内で打ち上げる場合の開発費、初打ち上げの時期などを検討。

 アトラス5の部品を活用して米国で打ち上げる場合が、今後の開発費は800億円台と最も安く、初打ち上げも早いという。最も高くて遅いのは、これまでの部品を使って国内で打ち上げる場合。開発は約1300億円から1400億円程度で、さらに国内打ち上げ施設の改修などで増加する可能性がある。15日の文部科学省宇宙開発委員会小委員会に報告する予定。

 GX開発で、これまでに官民が投入した金額は700億円から800億円近くにのぼっているが、初打ち上げの予定は6年遅れている。

(2008年5月15日14時36分 読売新聞)〜〜〜〜〜〜


メモ ウィキより

GXロケットは日本の航空宇宙関係企業グループと宇宙航空研究開発機構 (JAXA)、アメリカ合衆国のロッキード・マーティンが官民共同で開発を進めている中型ロケット。H-IIAロケットを使うほどでもない中小型人工衛星を専門に取り扱うギャラクシーエクスプレス社 (GALEX) が運用し、種子島宇宙センターの大崎射場から打ち上げる予定である。

機体

ロケット本体の開発は2002年(平成14年)に開始した。2段式の液体燃料ロケットで、1段目には米国のロッキード・マーティン製アトラスIIIの1段目と第1段エンジン(ロシアから技術移転されたRD-180)を輸入、2段目には低公害・安価とされる液化天然ガス (LNG) を推進剤に利用した国産のエンジン(LNG系推進システム)を世界で初めて採用する。ペイロードアダプタやフェアリングはH-IIAと同じものを使用し、一発あたりの打ち上げ料金を従来より大幅に低減させることを目標にしている。
しかしながら、JAXAが担当する2段目のLNG系推進システムの開発が難航し[1]、当初96億円程度とされた開発費は、2006年の時点で既に347億円とも言われ、数倍にまでふくれあがっている[2]。そもそも、打ち上げ料金の低減を目的とするロケットであるにもかかわらず、世界初で開発リスクも高いLNG系推進システムを採用したことに問題があったのではとの批判もされている[3]。そのような状況下で平成19年10月において一連の実機大LNGエンジン燃焼試験シリーズが成功裡に完了した。この成果により開発が大きく前進すると見られている。
なお、米国はLNG系推進システムの技術移転を要求しているが、日本政府は同技術の軍事利用を懸念しているため、実現していない。
[編集]仕様(予定)

全長: 48m (1段目38m 2段目8m フェアリング10m)
直径: 1段目 3.1 m、2段目 3.3 m、フェアリング 3.3 m
重量: 1段目 197 t、2段目 12 t、フェアリング 1 t
推進薬種類: 1段目 液体酸素/ケロシン 2段目液体酸素/液化天然ガス
真空中推力: 1段目 4152kN、2段目 118kN (計画値)
真空中比推力: 1段目 338 s、2段目 323 s (計画値)
低軌道への打ち上げ能力(ペイロード):当初予定 4,400 kg→設計変更により、約2トン
太陽同期軌道への打ち上げ能力(ペイロード): 当初予定 1,800 kg→設計変更により、約1トン
当初、打ち上げ能力はH-IIAの2分の1、M-Vロケットの2倍程度としていていた。しかし、その後の設計変更により、現在の目標仕様はM-Vと同程度の打ち上げ能力となっている。
[編集]打ち上げ実績および予定

試験1号機
2011年(平成23年)度に打ち上げ予定
試験2号機
2012年度以降に打ち上げ予定
[編集]関連項目

H-IIAロケット
M-Vロケット
[編集]脚注

^ "LNG推進系飛行実証プロジェクトの開発状況について" (PDF) 宇宙航空研究開発機構: 2006-09-20. 2006-09-27閲覧.
^ "宇宙機構のGXロケット エンジン開発費が設計変更で3.5倍の350億円に" FujiSankei Business i.: 2006-09-27. 2006-09-27閲覧.
^ "LNG推進系飛行実証プロジェクトの中間評価結果(案) 付録1 LNG推進系飛行実証プロジェクトの評価票の集計及び意見" 文部科学省宇宙開発委員会: 2006-10-24. 2006-11-26閲覧.
[編集]外部リンク

Galaxy Express - GXロケット概要
宇宙航空研究開発機構 - LNG推進系飛行実証プロジェクト
by akikonoda | 2008-05-15 17:03
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