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食の輸入、検査お粗末 業者任せ・抜き取り不足

食の輸入、検査お粗末 業者任せ・抜き取り不足
2008年05月23日15時01分

 輸入した肉や食品の安全を確認するため、農林水産省と厚生労働省が実施している検査が不適切な形で行われていたことが総務省の行政評価で明らかになった。防疫官ではなく輸入業者が抽出した検体を使って検査しているため公正さが疑われる例や、予定された数の抜き取り検査をしていないため信頼性に欠ける例がみつかった。

 総務省は23日、「食の安全にかかわる重大事案」として両省に改善を勧告した。食の安全に狙いを絞った行政評価は初めてで、輸入動植物を検査する農水省の動物検疫所と植物防疫所、輸入食品を検査する厚労省の検疫所などを対象に06年12月から調査した。

 動物検疫は、肉、卵などを輸入する際、伝染病を広げるおそれがないか調べるのが目的。検査要領では家畜防疫官が無作為に検体を抽出するとされているが、調査した24カ所の動物検疫所のうち22カ所では、防疫官が検査場所の倉庫などに到着する前に、輸入業者が選んでおいた肉などを使うことが常態化していた。

 農水省は検査の公正さを保つため、家畜・植物防疫官が検査場所に行く際は公用車か公共交通機関を使う内規を定めているが、調査した輸入業者30社のうち14社は常に自社の車で送迎していた。

 レトルト食品などの輸入食品については、厚労省の検疫所が一定の割合で食品を抜き取り、抗生物質、残留農薬、添加物などの項目について検査している。毎年度、項目ごとに検査予定数を決めて検疫所に割り当て、この数を上回る検査をすることで、統計学的に信頼できるようにする。

 だが、実際に予定数に達していたのは検査項目の半数程度。04年度は169の検査項目のうち76(45%)が予定に達せず、スープやシチューのレトルト食品などの添加物については予定の半分以下しか調べていなかった。05年度は183項目のうち98(53.6%)が予定に達しなかった。

 勧告を受けて、舛添厚労相は23日の閣議で「(検疫所で検査にあたる)食品衛生監視員の大幅な増員を図り、一層の輸入食品の安全性確保に取り組んでいく」と述べた。監視員は国内に約340人いるが、厚労省は中国製冷凍ギョーザ事件を受けて増員の方針を既に打ち出しており、態勢強化を重ねて強調した。若林農水相は23日の閣議後の会見で「勧告を真摯(しんし)にうけとめ適正化に努めたい。ただ、輸入業者の車への同乗が絶対にだめとは思わない。交通が不便な地方ではいろいろな事情がある」と話した。

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■その他の食品・農畜産物の検査の問題点

・動物検疫で、申請の60%をめどに実施するとされている肉や臓器の抜き打ち検査が50%未満の港が3年間で8港

・動物検疫所のすべてで、検体の抽出数量の記録なし

・輸入植物を廃棄する際、3日間の期間のうち2日目の防疫官立ち会いを省略していた植物防疫所が2カ所

・33植物防疫所のうち、21カ所で検体抽出数量の記録なし

朝日〜〜〜〜〜〜〜
by akikonoda | 2008-05-23 18:06
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