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イラク情勢関連

ワシントンIPS=ガレス・ポーター、5月21日】

 イラク駐留米軍司令部は依然、シーア派反乱軍に対するイランの武器供給ラインについて云々し、彼らが間接射撃武器およびロケット発射式擲弾(RPGs)の供給をイランに頼っていることを匂わせている。しかし、米国はその主張の裏付けとなる証拠を見出しておらず、提出期限を遙かに過ぎている米軍報告書も、シーア派民兵が所有する武器の何%がイランからの物であるか、一般市場で購入された物であるかについて如何なるデータも示すことはなさそうだ。

 5月8日の説明会でこの問題について質問されたバーグナー少将は、具体的説明は避け、「これらのグループが外国の支援なしにこの様な事をするとは考えられない」との米軍のこれまでの主張を繰り返すのみだった。

 イラク駐留米軍司令部による過去15か月間の報告によれば、シーア派居住区の隠し貯蔵庫で発見された数百の武器の内イラン製の武器はほんの僅かである。20数か所の貯蔵庫で、ひと握りのRPGsと特定口径の迫撃砲およびロケット砲700余りが発見されたが、イラン製と報告されたのは僅か4機のロケット砲とイラン製の可能性がある別のロケット砲15機のみだ。

 過去15か月間に発見された隠し貯蔵庫の武器を見ると、60㎜および120mm迫撃砲、107mmロケット砲、57mm対装甲車ミサイルの4種の重火器が圧倒的に多い。これらは、アルカイダ、スンニ派民兵の隠し貯蔵庫で発見されたのと基本的に同じもので、従って両者の重兵器は国際武器市場で調達したものであることを示唆している。

 米国の爆発物専門家マーティー・ウェバー少佐は、2007年4月、イラクで発見された殆どの107mmロケット弾は中国製であると確認した上で、イランは中国製の60mm、107mmロケット砲を塗り替え、武器市場で販売したと主張した。

 ペトレイアス中将は昨年10月、イランがシーア派民兵グループにRPG-29ロケット発射式擲弾を供給しているのは間違いがないと語ったが、RPG-28はイランではなくロシア製である。シーア派貯蔵庫で発見された160のRPGランチャおよび800のRPGミサイルの一部はソビエト製であることが判明したが、イランのものと特定できるものはなかった。米国によるイランの対イラク武器供給という主張の問題点について報告する。(原文へ)

翻訳/サマリー=山口ひろみ(Diplomatt)/ IPS Japan 武原真一
by akikonoda | 2008-05-28 15:52
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