北朝鮮がIAEAに封印撤去要請 再処理施設で
【ウィーン22日共同】国際原子力機関(IAEA)の定例理事会(日米など35カ国)が22日開会し、エルバラダイ事務局長が冒頭、北朝鮮が寧辺の再処理施設で稼働テストを実施するため、関連機器にIAEAが施している封印や監視カメラなどを撤去するよう、同日、現場のIAEA監視要員に要請してきたことを明らかにした。
北朝鮮は6カ国協議の合意に反して、核施設の復旧作業に着手しているが、復旧の動きをさらに進める構えを見せたことになる。
一方で北朝鮮は、稼働テストには核物質を使用しないとしており、再処理施設で核兵器の原料となるプルトニウム生産を直ちに再開する姿勢は示していないという。
理事会は23日以降に北朝鮮やイランの核問題などについて協議する予定で、北朝鮮の核施設復旧に向けた動きに対して各国から懸念の表明が相次ぎそうだ。
イランについては、焦点の1つである核兵器開発疑惑に関するIAEAの調査が、イラン側の非協力的姿勢で進展せず「行き詰まっている」(IAEAに近い当局者)状況で、米国などを中心にイラン批判が出そうだ。
理事会はシリアやリビアの核問題も協議する。