死刑について

 法務省は29日、4人の死刑を執行したと発表した。執行されたのは牧野正(58)=福岡拘置所収容▽西本正二郎(32)=東京拘置所収容▽川村幸也(44)=名古屋拘置所収容▽佐藤(旧姓・野村)哲也(39)=同=の4死刑囚。死刑執行は昨年10月28日以来3カ月ぶりで今年初めて。森英介法相の執行命令は昨年9月の就任から4カ月で2回目。死刑確定者数は今月4日に1人が病死して07年5月以来1年8カ月ぶりに100人を切り、今回の執行で95人になった。

 確定判決などによると、牧野死刑囚は別の殺人事件で無期懲役の判決を受けて仮出所中の90年3月、北九州市の会社員宅に押し入り長女(当時25歳)を刺殺。帰宅した会社員や目撃した女性にもけがをさせた。福岡地裁小倉支部で死刑判決を受け、自ら控訴を取り下げ確定した。

 西本死刑囚は04年1月、愛知県春日井市でタクシー運転手(同59歳)を刺殺し売上金を強奪。同4〜9月には長野県の当時69〜77歳の男女3人を殺害し現金を奪った。控訴審で福島県内での女性殺害を新たに供述したが、うそを認め控訴を取り下げた。

 川村、佐藤両死刑囚は00年4月、約束手形金の支払いに応じなかった名古屋市の喫茶店経営の男性の妻(同64歳)と妻の妹(同59歳)を拉致。2人を愛知県瀬戸市の山林でドラム缶に押し込み焼死させた。

 死刑確定から執行までの期間は、牧野死刑囚が15年2カ月、西本死刑囚が2年、川村、佐藤両死刑囚が2年6カ月。07年12月の鳩山邦夫元法相下での死刑執行以降、執行はほぼ2カ月に1回のペースが維持されていたが、今回は国会審議や年末年始を挟んだことなどが影響したとみられる。

 ◇情報公開進め、死刑制度で活発な議論を

 異例の死刑執行ペースの下、07年末に107人に上った死刑確定者数は100人を切った。厳罰化の流れの中で死刑判決が多発する近年の司法の風潮を背景にした法務省の強い姿勢の結果と言える。

 鳩山邦夫元法相が07年12月に死刑執行して以降、執行はほぼ2カ月に1回のペースで続く。昨年の執行者数は15人に上り、新たな確定者数(10人)を9年ぶりに上回った。死刑囚は今月4日に1人が病死し、07年5月以来1年8カ月ぶりに100人を切った。

 確定から執行まで平均7〜8年かかっていることに、法務省幹部は「死刑制度が存在する趣旨を踏まえれば正しくない」と指摘。再審請求で執行が先送りされる死刑囚が増える一方、執行された死刑囚は確定からの期間が短期化されているのが現実だ。そういう点について鳩山氏以降の法相は「職務を粛々と遂行しているだけ」などと説明する。

 だが、国連総会は昨年12月、死刑執行の一時停止などを求める決議案を賛成多数で採択しており、反対した日本は少数派だ。5月に始まる裁判員制度では一般市民が死刑判決に関与するケースも出てくる。死刑制度についての議論を深めるためにも一層の情報公開が求められる。【石川淳一】

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by akikonoda | 2009-01-29 15:33
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