チャングを吹く甲斐大策さん
今日は甲斐大策さんの個展に伺ってきた。
何気なくネットを見ていると、福岡市大名「秦王飲酒 甲斐大策展」(LOTTO跡仮設ギャラリー、 福岡市中央区大名1-6-13 キキプレイス1F、 11時〜18時(最終日は17時まで) 26日迄開催)があると言う事を知り、いても立ってもいられなくなり駆けつけたのだ。
甲斐さんは、相変わらず、背筋を伸ばし、眼光鋭い猛禽類のような風貌をされていた。
唐の時代の鬼才の誉れ高い李賀が秦王に対する畏敬の念を抱いての詩をモチーフにした絵を描いておられた。
他にも、愛おしい驢馬とその背に乗った鳥、メナー(九官鳥の一種)等を描かれたものやアフガニスタンの地と友や其処に暮らす人々を描いたもの等、乾いた大地に暮らす生命の歌のようなものを、砂の混じった風にまぎれながらも聴き、なおかつ見とれてしまうような心持ちで、拝見していた。
昔、学生時代に、甲斐さんのお母様にピアノを習っていた時、子どもの頃、父親の仕事の関係でイランに住んでいたという事を、お話しした事を覚えていてくださり、とてもうれしかった。
学生時代、慣れないピアノの単位を取る為に、貧乏学生?!であった自分に、良心的でとても丁寧に、心のこもったレッスンをしてくださったお母様の事をお聴きすると二年前の今日、亡くなったといわれて、もうこの世では会えないのかと思うと哀しかったけれど、もしかして今日の個展の事を先生が内緒で教えてくださったのかなあ等と思うと、先生がすぐそこでにっこりいたずらっぽく笑っておられるような気がしてきた。
魂のようなものは本当にあるのかもしれないなと思わずにはおれないような、そうだったら、それはそれでいいような気がして、不思議なご縁のようなものに、感謝せずにはおれない気がした。